研究実績の概要 |
レーザー波長の可変幅が780nmから20nm以上あり,光出力が70mWとなるシングルモードレーザー光源を設置した.この発振波長を形状計測用PCから制御するためのプログラムライブラリーを利用し,形状計測プログラムから波長を変えるソフトウエアを作成した.そして,波長を変えながら干渉画像を撮影できるようにした.さらに,レーザー発振波長域で反射率が特に低い,ミラーやレンズも入手し干渉計に組み込んだ.一方,形状計測精度を評価するための厚みが1001μmから1009μmのブロックゲージも入手して,それを横方向にずらして積み重ね,最高高さが9045μmとなる9段の段差を作り測定対象物体とした. この装置で,レーザー波長を778.20nm, 778.22nm, 778.29nm, 778.55nm, 779.40nm, 781.00nm,784.35nm, 789.00nm, 795.00nmと変えながら各波長で位相シフトしながら干渉像を60枚取り込み,9波長でのスペックル位相を抽出した.次に,8種の等価波長(30.281mm, 6.73mm, 1.73mm, 0.505mm, 0.217mm, 0.099mm, 0.059mm, 0.037mm)での位相縞画像を計算した.最も長い等価波長による位相情報から次に長い等価波長の位相縞の縞次数を抽出して位相をアンラップし,それを使いその次に長い等価波長の位相縞画像の位相をアンラップし,さらに短い等価波長へとアンラップし,最も短い等価波長(0.037mm)の位相縞画像までアンラップした. 等価波長37μmでの位相情報から,高さ情報を抽出すれば十分に1μmくらいの精度が得られると推測した.しかし,等価波長37μmでの位相情報はかなり雑音強度が大きく,形状計測精度は数μm止まりであった.この雑音強度の増大原因を現在探求中である.
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