研究課題/領域番号 |
20K04199
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
古谷 涼秋 東京電機大学, 工学部, 教授 (50219119)
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研究分担者 |
小崎 美勇 日本工業大学, 基幹工学部, 准教授 (80550590)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | LCD / 三辺測量 / レーザー干渉計 / 三次元位置測定 / 運動誤差測定 |
研究実績の概要 |
温度安定化レーザーを光源とする拡散光の光の束の中に,レトロリフレクタとして,ボールレンズを配置し,ボールレンズからの反射光を受光素子に結像し,干渉信号を検出した.レーザーからボールレンズへ至る光路の途中に透過型液晶ディスプレイを挿入し,PCからの制御によって,レーザー光の照射されるボールレンズを選択できることを確認した. ボールレンズの選択により,干渉計を選択的に構築できるようになった.令和2年度は,光軸に垂直な方向の変位を測定できる干渉計と,角度変位(ピッチング)の測定できる干渉計とを,透過型液晶ディスプレイによって選択できるような光学系を構築した.ボールレンズに運動を与えながら,透過型液晶ディスプレイを切替,一定の範囲内でボールレンズの位置と角度の測定を実現した. 光軸に垂直な方向の変位測定及び角度測定(ピッチング)と,光軸に垂直なもう1つの方向の変位測定及び角度測定(ヨーイング)は,原理的には同等なので,まず,これらの2方向の変位測定及び2方向の角度測定を透過型液晶ディスプレイの切替により実現する.計4自由度の測定であるため,変位及び角度の運動の速度と透過型ディスプレイの切替速度について,今後調査する必要がある. 光軸に平行な方向の変位測定は大きな問題とならないが,光軸に垂直な面内での回転運動が最大の課題となる.また,運動を測定する対象の物体に固定するために,装置のサイズの検討も今後の課題となる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度4月からのコロナ禍において,前期中は教員は在宅勤務,学生は在宅での学習を基本としたため,実験を担当する学部生,大学院生が大学に来ることができなかったことが原因である.同様に,機器の発注・購入も滞り,納入プロセスも順調とは言えなかった.
令和3年度からは,コロナウィルスに注意を払いつつも,研究室での活動については,夜間の活動を除いては制限がなくなった.
令和2年度後期の活動において,光軸に垂直な方向の変位測定と角度測定(ピッチング)については,測定できているので,令和3年度は,令和2年度の測定方向及び光軸に直交する方向の変位測定と角度測定(ヨーイング)を追加し,4自由度の運動誤差の検出を目指す.
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今後の研究の推進方策 |
光軸に垂直な2方向の変位測定と2方向の角度測定(ピッチング,ヨーイング)の安定な測定を目指す.
運動速度と透過型液晶ディスプレイの切り替え速度の関係を実験的に確認する.
光軸に垂直な面内での回転運動の検出の実験装置を作成する.
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次年度使用額が生じた理由 |
温度安定半導体レーザーの価格が下がり,25万円の差額が生じたことが一番の理由である.また,研究分担者においても,コロナ禍の影響により,実験が順調にできなかった 令和3年度は,多自由度の実験が同時にできる環境を整備する. 多自由度測定に適切な透過型液晶ディスプレイの切替速度を検討し,より切替速度の速い液晶の導入も検討する.
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