ダイヤモンドは,現存する物質中でもっとも硬い物質であることに加え,無潤滑の条件においても摩擦係数の非常に低い材料である.一方,その硬度と高い化学的安定性のため加工は極めて困難な材料である.ダイヤモンドを摺動部等の機械部品として使用するには,高能率な鏡面仕上げ加工の確立が急務となる.これに対して本研究では,メカノケミカル作用を有する複合砥粒砥石において,90m/sの高速領域での使用を実現し,表面粗さと加工能率とを両立して改善可能であることを明らかにした.これによってダイヤモンドに対する超高能率かつ高品位な鏡面加工の実現可能性を見出したといえる.
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