切削加工技術の進歩を促すため,切削加工で生じる現象を解明することを目的としている.本課題では,切削加工で生じる切りくずに着目し,切削現象を凍結させる新たな実験手法を開発した.得られた切りくずの断面組織を観察することによって,切りくずの生成には,切りくず生成直後の材料が工具表面に凝着する構成刃先が重要な役割を果たしており,高速度下で切削しても構成刃先は消失せず,切りくずはこの構成刃先上を流れていることが示唆される結果が得られた.従来構成刃先は高速度下では消失すると言われてきたが,本研究課題により,常用切削条件下では構成刃先は薄くはなるものの消失はしなかった.
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