研究課題/領域番号 |
20K04210
|
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
神谷 和秀 富山県立大学, 工学部, 教授 (00244509)
|
研究分担者 |
伊東 聡 富山県立大学, 工学部, 准教授 (00624818)
松本 公久 富山県立大学, 工学部, 准教授 (40457122)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | エイリアシング / ナイキスト周波数 / サンプリング / 超解像度 |
研究実績の概要 |
本研究は,アナログ(連続)信号をデジタル(離散)信号に変換する標本化定理(サンプリング定理)に関する研究であり,すでに「エイリアシングで折り返した信号はノイズである.」という常識を否定し,異なるフィルタ条件の多チャンネル同期サンプリングデータを組み合わせることで,ナイキスト周波数の3倍の信号まで復元できる技術を開発している.本研究では,これまでに考案した「異なるフィルタ条件の多チャンネル同期サンプリングデータを組み合わせることでナイキスト周波数を超えた信号まで復元できる技術」を用いてイメージセンサの解像度を飛躍的に高めるアルゴリズムを改良することを目的としている. 2022年度はアパーチャタイムが復元に与える影響について調査を行った.ここで,アパーチャタイムとは,A/D変換器の前段にはサンプル&ホールド回路を挿入してアナログ信号をコンデンサに充電しており,この充電時間のことである.また,イメージセンサのようなエリアセンサの場合は,受光素子のピッチと受光素子のサイズの比がアパーチャタイムに相当することになる.研究では,実験的に条件を振ることが容易ではないため,シミュレーションによって検討を行った.その結果,ナイキスト周波数以下の信号に対しては,アパーチャタイムの影響が少なく,一方,ナイキスト周波数を超える信号については,アパーチャタイムが大きくなるにつれて,サンプリング時にフィルタリングされてしまうことがわかった.実験による確認については,研究期間中に確認を行うことはできなかったが,過去にカメラを利用してナイキスト周波数の2倍までの周波数成分の復元を行った実験結果と比較をしたところ,復元の限界がアパーチャタイムの影響に良く似ていることを確認した.一方,アパーチャタイムの影響の対策については,研究期間中には取り扱うことができなかったため,今後,継続して研究を行う予定である.
|