高硬度材料の形状加工が可能な放電加工の中で,細穴を加工する細穴放電加工がある.これは,パイプ状の黄銅や銅電極を用いて中空部から水系加工液を噴射しながら加工を行う.直径に対して深さが100倍以上にもなる深穴加工においては,加工粉の排出が滞るためか,放電状態が不安定となり加工速度が低下する.そのような現象を解消する目的で,電極外周部へのストレート溝の追加や,電極断面形状を変更した加工実験を行ったところ,放電不安定現象を回避することができ,加工時間が短くなった.また,加工液の噴射圧力を変更しても放電不安定現象が発生しない場合があり,加工液噴射圧制御による加工速度向上への取り組みにつながった.
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