研究課題/領域番号 |
20K04223
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
北山 哲士 金沢大学, 設計製造技術研究所, 教授 (90339698)
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研究分担者 |
伊藤 誠 金沢大学, 機械工学系, 助教 (30845160) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 最適設計 / 多目的最適化 / プラスチック射出成形 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
プラスチック射出成形において品質と生産性の向上は常に求められる.二つ以上の溶融樹脂が合流してできるウェルドラインは,表面品質に影響を与えるため,その抑制が強く望まれている.ウェルドラインを抑制するプラスチック射出成形法の一つとして,型温加熱冷却成形(RHCM)があるが,金型温度の加熱冷却プロファイルは試行錯誤的に決められており,サイクルタイムが長く,生産性が悪い.本年度の取り組みとして,サイクルタイムを短くするために有効である可変保圧力プロファイルを用いて,ウェルドラインの抑制するような金型温度プロファイルを含むプロセスパラメータの最適化を行った.プロセスパラメータの最適化には機械学習を活用した最適設計法を用いた.また,金型内の冷却水管経路には,部品形状に沿うような三次元水管経路を用いた.シミュレーションによる最適化を行った結果,可変保圧力プロファイルを用いた場合,一定保持圧力を用いたときの結果と比較して,ウェルドラインの抑制も可能であり,また溶融樹脂の温度上昇を抑え,サイクルタイムを短縮するできることが明らかにした.さらに,はじめに高い保持圧力を作用させてキャビティ内圧を高くすることで,体積収縮率の抑制ができることも明らかとなった.最後に射出成形機で検証実験を行い,シミュレーションの結果の妥当性を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度製作した三次元冷却水管経路を用いて,可変保圧力プロファイルを取り入れたRHCMのプロセスパラメータの最適化に取り組んだ.シミュレーションの結果,ウェルドラインの抑制に加え,可変保圧力プロファイルによる射出成形法はサイクルタイムの改善にも役立つことがわかり,さらに体積収縮率の改善にも寄与することが明らかとなった.検証実験も行っており,おおむね順調に進展していると判断できる.
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今後の研究の推進方策 |
現在取り組んでいるRHCMは冷却水管経路内に流れる水温を制御してウェルドラインの抑制にとりくんでいる.水温制御の場合,冷却水の加熱に時間がかかるため,研究上の有効性は確認できるものの,実用レベルには到達していない.そこで今後は,ウェルドラインの発生する箇所を局所的かつ効率的に加熱するヒーター加熱を用いて,サイクルタイムとウェルドラインを同時に改善することが重要となる.また,ヒーター加熱によるRHCMでも,加熱・冷却温度のプロファイルと他のプロセスパラメータ(溶融温度,保圧時間,保持圧力など)は,品質と生産性に影響を与えるため,これらの最適化に取り組む予定である.
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