研究課題
プラスチック射出成形品の品質と生産性を劇的に改善するためには,金型内の水管経路設計の抜本的な見直しと,革新的射出成形法の研究開発が必要である.プラスチック部品の代表的な品質不良であるウェルドラインの抑制と生産性向上を目的とし,型温加熱冷却成形(RHCM)の金型温度プロファイルとプロセスパラメータの最適条件を,シミュレーションと機械学習を活用した最適設計法によって決定した.射出時間が短いとウェルドラインが短くなることとRHCMの特性に着目し,金型温度と射出時間を取り入れた目的関数を新たに考案し,さらに生産性向上を目的としてサイクルタイムも同時に考えた.射出時間が短すぎると,溶融樹脂がキャビティに充填しないショートショットが発生することが判明したため,ショートショットを定量的に扱い,制約条件とした.今年度は,ウェルドラインができる部分が事前に判明していたので,金型全体を加熱する内部加熱冷却方式よりも,ウェルドラインの発生位置付近を局所的に加熱する外部加熱冷却方式を用いるほうが,サイクルタイムの短縮が期待できると考え,ウェルドラインが発生する部分を局所的に加熱して,溶融樹脂の流動性を高めてウェルドラインを抑えることができるヒーター加熱式RHCMを提案した.シミュレーションの結果,ヒーター加熱式RHCMを用いれば,ウェルドラインは完全に消すことができることが判明した.シミュレーション結果の妥当性を検証するため,ヒーターを取り付けた金型を製作し,射出成形機による実験も行った.検証実験の結果,シミュレーションとほぼ同様の結果を得ることができ,本研究の妥当性を確認した.
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