研究課題/領域番号 |
20K04226
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
手嶋 吉法 千葉工業大学, 工学部, 教授 (80392041)
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研究分担者 |
山澤 建二 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 副チームリーダー (50344057)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 新たな機構の探索 / 3Dジグソーパズル / 空間充填多面体 / 伝統継手 / 3D CAD / 3D プリンタ |
研究実績の概要 |
3Dジグソーパズルとは、一般的な2Dジグソーパズルを幾つかの制約条件下で3次元化したものであり、2Dジグソーパズルと同様の凹凸の曲線がパズル表面上に現れる。2000年に池上によって設計された3Dジグソーパズル(外形が立方体のもの)では、四方継という日本の伝統的な木造継手の機構を応用し、内部の3方向にほぞを配置することで3D ジグソーパズルとしての機能を実現することに成功したものであった。本研究で我々は、池上式3Dジグソーパズルの設計理論の構築の為、ピースの形状パターンの分類,ほぞ形状の限界値の調査を行った。さらに、新しい機構を導入することにより、新しい3Dジグソーパズルを開発することに成功した。3Dジグソーパズルは、空間充填可能な多面体により構成されなければならない。オリジナルの池上式3Dジグソーパズルは、複数の合同な立方体により構成されている。我々は、新たな3Dジグソーパズルを設計するにあたり、組み合わせることで空間充填可能となる正四面体と正八面体を用いることとした。正四面体と正八面体のピースを用い、外形が正四面体となる3Dジグソーパズル(全5ピース)、外形が正四面体となる3Dジグソーパズル(全15ピース)、外形が平行六面となる体3Dジグソーパズルの3種類を設計した。上記3種類のパズルの設計にあたり、円形状のほぞを考案した。このほぞは四方継と同様に正四面体の側面全てに同形状のほぞの断面が現れる特徴を有する。外形が正四面体となる3Dジグソーパズル(全5ピース)には1種類の円形ほぞ、外形が正四面体となる3Dジグソーパズル(全15ピース)には直径が異なる2種類の円形ほぞ、外形が平行六面となる体3Dジグソーパズルには1種類の円形ほぞ及び直線ほぞによってピースが結合される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
理由は、以下の2点である。 (1)オリジナルの池上式3Dジグソーパズルの設計理論を構築する上で重要なほぞおよび溝の限界サイズを明らかにした事。3Dジグソーパズルの分割数として5段階、つまり、2X2X2分割(全8ピース)、3X3X3分割(全27ピース)、4X4X4分割(全64ピース)、5X5X5分割(全125ピース)の各場合について、ピースの形状のパターン分類を完了することが出来た事。 (2)オリジナルの池上式3Dジグソーパズルと異なる機構を有する3Dジグソーパズルを複数種類、新たに開発することに成功した事。
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今後の研究の推進方策 |
今後、これまでと異なる内部機構を導入することにより、新しい3Dジグソーパズルの開発を進めて行く。 また、製品化および大量生産をおこなう為に必要な、安価な複製技術(3Dプリンタ以外の方法)について研究を進めて行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
3D形状データの修正を繰り返して形状の改良をおこなった為、実体化(3Dプリンタによる実体化)は、外部の造形サービスを利用するのではなく、研究室内の3Dプリンタでおこなった。これにより、主に造形サービス代として計上していた額が次年度使用額となった。これを合わせた使用計画としては、研究室内の3Dプリンタの材料費および3Dプリンタの新規導入を予定している。
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