研究課題/領域番号 |
20K04234
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
高本 仁志 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (30613244)
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研究分担者 |
近藤 伸亮 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任教授 (40336516)
木下 裕介 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60617158)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Multi Agent Simulation / Smart Manufacturing / Reference Architecture |
研究実績の概要 |
2021年度は、2020年度に開発したユースケース駆動型モデルベース開発手法に基づき、製造システムの運用データを積極的に活用し、製造システムの利用者に価値を提供するValue-Based Service(VBS)と呼ばれるユースケースの一例として、複数の研削盤が主な構成要素である生産ラインのモデルベース開発を行った。開発された生産モデルは、生産システムシミュレーションにより分析できるものであり、複数台の研削盤、前後工程機械、搬送機械、ライン使用者、中央制御機構などを含め10程度のエージェントで構成される大規模なものとなった。また、それぞれのエージェントのアクティビティのあいだでやり取りされる情報の流れをUML図の一つであるシーケンス図で記述し、シミュレーションにより生成される情報の流れを確認できた。 開発された生産ラインモデルは、研削盤の加工速度を生産要求量と研削工具の状態とその予測に基づき制御し生産ラインコストを低減できること、また、研削盤の実機からインタフェースを用いて研削盤の状態を取り入れることの2点で画期的なものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本課題で対象としていたValue-Based Serviceの事例として妥当なユースケースを開発できたことで計画通りであり、さらに計画以上に進展している点として、当ユースケースに実機と生産モデルとの国際標準規格インタフェースを活用できていることがあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、本年度開発した生産ラインモデルに機能要求に関するモデルを統合し、機能要求の観点でモデルを分析・評価できるモデルベース開発環境を構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、国内および国際学会での情報収集および予定しており国内旅費・外国旅費を計上していたが、コロナ禍のため実施できず、2022年度の使用額が生じた。このため、2022年度は、当初の計画通りにユースケースの構築に利用したアクティビティや機能のモデル拡張を実施するとともに、このために必要な情報収集を並行して実施する計画である。
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