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2022 年度 実施状況報告書

構造相転移を電圧で制御する新規高機能マイクロアクチュエータの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K04252
研究機関鈴鹿工業高等専門学校

研究代表者

横山 春喜  鈴鹿工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (20583701)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードマイクロアクチュエータ / 二酸化バナジウム / マグネトロンスパッタ / 相転移 / 熱処理
研究実績の概要

酸化バナジウム薄膜の高品質化に向けて、ターゲットにVO2を用いたマグネトロンスパッタ法を用いて、基板加熱を行いながら堆積した酸化バナジウム薄膜の膜質を評価した。
【酸化バナジウム薄膜の作製】マグネトロンスパッタにより酸化バナジウム薄膜の作製を行った。基板にはスライドガラスを用い、ターゲートにはVO2を用いた。Arガスを導入し、成膜圧力は0.13Paで一定とした。公転機構を利用して、ヒーター領域とターゲット領域を交互に通過させて、基板温度を約200℃まで上昇させた。また、回転速度20rpmで基板を自転させた。基板温度が一定になった後、RFパワー200Wで酸化バナジウム薄膜を2時間堆積させた。作製した試料を分割し、赤外線ランプ加熱装置を用いて、酸素雰囲気下で400℃と500℃の熱処理を30分行った。
【構造評価】作製した薄膜の構造をX線回折を用いて評価した。X線回折スペクトルでは400℃のみVO2が寄与すると考えられるピークを確認することができた。熱処理なし、500℃ではピークを確認することが出来なかった。熱処理なしでピークを確認できなかった原因は薄膜がアモルファス状態で結晶化が起きていないことが原因と考えている。また、熱処理温度500℃でVO2のピークが見られなかったのは、熱処理により膜厚の減少が起きたことが原因と考えている。
【電気的特性評価】Van der Pauw法を用いて、室温から110℃まで測定温度を変化させて熱処理した試料の抵抗率を測定した。熱温度400℃の試料の抵抗率は温度の増加により単調に減少した。一方、500℃の試料では相転移と思われる急激な減少(減少率約40%)が80℃付近で観測された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ禍の影響で研究計画が大幅に遅れている。原因は薄膜作製、特性評価、成長条件へのフィードバックのサイクルが遅く、薄膜の高品質化が進んでいないことにある。

今後の研究の推進方策

補助事業期間の延長を完了し、コロナ禍も収まってきたので、薄膜作製のフィードバックサイクルを増やして各種薄膜作製条件の最適化を加速する。また、研究目標を積層構造の作製と、電圧による相転移の確認に変更する。

次年度使用額が生じた理由

研究計画の遅延にともない、使用計画と執行額に差額が生じた。今後、研究を加速し、予算の執行を行う。

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公開日: 2023-12-25  

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