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2022 年度 実績報告書

油溶性ポリマーの極圧性の発現機構と他の添加剤に対する反応促進機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K04254
研究機関地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター

研究代表者

中村 健太  地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 研究開発本部機能化学材料技術部プロセス技術グループ, 上席研究員 (20556849)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードメチルメタクリレート / リビングアニオン重合 / ジブロック構造 / ランダム構造 / 13C-NMR / GPC / 吸着状態 / AFM
研究実績の概要

2022年度は、リビングアニオン重合法により精密に化学構造をコントロールしたメチルメタクリレート共重合体を用いて、ポリマーの吸着性能を明確にした条件で、ポリマーの吸着が他の添加剤の反応に与える影響を調べた。
重合したポリマーはメチルメタクリレート共重合体で、メチルメタクリレートが55mol%で、残りがラウリルメタクリレートとステアリルメタクリレートであり、これらをランダムに合成したPMMA-rと、メチルメタクリレートを肩末端に集めたジブロック構造のPMMA-bを準備した。GPCにより測定した重量平均分子量は共に19000程度で、数平均分子量との比で与えられる分子量分布の広さは1.1である。なお、ランダム構造、ジブロック構造の違いは、合成手順と13C-NMRを用いた構造解析により確認した。
Siウェハ上に蒸着させた酸化鉄の表面に水素化分解型鉱油にPMMAを1mass%添加した溶液を滴下し、ヘキサンを用いてPMMA以外の成分を流出させて得た表面の、凹凸と吸着力をAFMを用いて観察、測定した。その結果、ジブロック構造のPMMA-bでは、吸着力が大きく軟らかい物質が、PMMA-rよりも厚く存在することが分かった。また、FT-IR分析では、測定前の表面からカルボキシル由来の吸収ピークが認められ、PMMA-bの方が強度が高いことを確認している。
つまり、本研究で準備したメチルメタクリレート共重合体においては、メチルメタクリレートがランダムに存在するよりも、ブロックで存在する方が酸化鉄表面には厚く存在することが示された。
セカンダリータイプのZDDPとの組み合わせ効果を評価した結果、PMMA-rにたいしてPMMA-bの方が極圧性は高く、吸着性の差が他の添加剤との併用時のトライボ性能に影響することが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ポリメチルメタクリレート共重合体のトライボロジー特性 (2)極低速下の摩擦特性と部分EHL解析2023

    • 著者名/発表者名
      中村健太・村木正芳・成田武文・林 孝星・高橋 享
    • 学会等名
      トライボロジー会議 春 東京2023
  • [学会発表] ポリメチルメタクリレート共重合体のトライボロジー特性 (1)ポリメチルメタクリレート共重合体の構造解析と吸着性の評価2023

    • 著者名/発表者名
      成田武文・中村健太・村木正芳・林 孝星・高橋 享
    • 学会等名
      トライボロジー会議 春 東京2023

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公開日: 2024-12-25  

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