研究課題/領域番号 |
20K04287
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宗像 瑞恵 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (30264279)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 感圧塗料 / 圧力分布計測 / 流体計測 / 温度分布計測 |
研究実績の概要 |
本研究では、感圧塗料(PSP)を用いた表面圧力分布の計測に加えて、温度も同時に計測する方法を開発することを目的としているが、従来の感圧塗料による表面圧力を計測する寿命法では,励起光としてパルス光を用いられてきたが、本研究では、照射する光の強度を正弦波などのように変調させて、発光強度の応答変化をカメラで撮影して圧力や温度分布を計測する。この変調光を照射する方法による計測は,これまでバイオ医療分野で細胞の寿命計測で利用されてきたが,幅広い産業分野の工業モデルでの圧力計測の適用例はほとんどなく,実用レベルに至っていないが、今回、壁面噴流実験で実証を試みた。 この周波数ドメインの蛍光寿命法(FLIM法(Fluorescence Lifetime IMaging technique))をPCOによって開発されたpco.flimカメラではなく、高速度カメラ(CMOSカメラ)のシングルショット(単一露光)によりPSP計測できるシステムを構築したことも特徴的であり、壁面噴流実験によって、大気圧環境下の微差圧でも高精度な圧力分布計測ができることを明らかにした。 また、光電子増倍管により、感圧塗料を塗布したサンプルで圧力・温度の同時計測も行い,FLIM法でも実現可能であることを明らかにしたが、現在使用中の感圧塗料では温度感度が低いため、塗料を変更するか、FLIM法の高精度化を図るなどの検討が必要である。 高速度カメラによるFLIM法を用いた壁面噴流実験での実証試験段階である。 一方、プロペラ表面圧力の計測においては、塗布条件の影響を調査段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で実験できない期間もあったため、予定よりは若干遅れている部分もあるが、研究していく中で出てくる新たな課題に向けた取り組みに時間をかけたことを考慮すれば、目的達成のためにはおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
温度と圧力の同時計測において高精度化に限界があるようであれば、塗料の変更も視野にいれて、再構築するなどして、目標を達成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で学会発表等での旅費が不要となったため、次年度使用額が発生したが、次年度の予算とともに、塗布工程にかかる消耗品費の一部として使用する予定である。
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