研究課題/領域番号 |
20K04290
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
仲尾 晋一郎 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (40331029)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 可視化 / 噴流 / 密度の定量化 / 衝撃波 / 3次元 / マッハ・ツェンダー干渉計 / レインボーシュリーレン法 / トワイマン・グリーン干渉計 |
研究実績の概要 |
コロナの影響で全体的に実験の実施が遅れたが,干渉計を用いて不足膨張状態にある矩形マイクロジェットについての実験を行い.以前行ったレインボーシュリーレン法による計測結果と比較して,実験の方向性が正しいかを検証した.現在のところ以下の結果が得られた. (1) フーリエ変換法による干渉縞の移動量の解析とコンボリューション逆投影法による密度の再構成法は,超音速マイクロジェットの 3 次元構造を調べるのに有効である. (2) レインボーシュリーレン法のシュリーレン法とはと異なり,直接密度値が得られる干渉計の一つ,トワイマン・グリーン干渉計で行う予定であった.様々な予備実験を通じて,明らかにマッハ・ツェンダー干渉計を用いたほうの精度が高いデータが得られることが分かった.よって,以後の実験はマッハ・ツェンダー干渉計で行うことにした. (3) レインボーシュリーレン法による計測結果と比較して,マッハ・ツェンダー干渉計を利用し,同様な結果が得られ,解析システムに問題がないことを確認した. (4) 不足膨張マイクロジェットの膨張領域と圧縮領域の等密度面の流れ方向の空間的変化を詳細に捉えることができた.また,噴流の中心軸を含む対称面と対角面における衝撃波の構造をとらえることができた.さらに,矩形ノズルからの不足膨張のマイクロジェットでは,ノズル出口下流の圧縮領域のすぐ上流において噴流の中心軸に垂直な断面の等密度線が流れ方向に正方形から菱形断面に変化する現象が現れた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載のように,過去の実施した類似の研究結果と比較し,干渉計を用いた超小形超音速噴流の定量的可視化計測法の実験の方向性が正しく,問題ないことが確認できたため.
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今後の研究の推進方策 |
過去に行ったレインボーシュリーレン法による計測結果と比較するため,マッハ・ツェンダー干渉計の解像度を同等な分解能になるように解像度を設定した.同様な結果が得られ,解析システムに問題がないことを確認できたので,今後はマッハ・ツェンダー干渉計の解像度を上げて,実験を行う予定である.また,矩形ノズルからの不足膨張のマイクロジェットでは,ノズル出口下流の圧縮領域のすぐ上流において噴流の中心軸に垂直な断面の等密度線が流れ方向に正方形から菱形断面に変化する現象が現れたので,そこに着目した測定を行い,発生メカニズムについても詳細なデータを得たい.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で大学入構制限により,主に実験にかかわる時間に影響した. そのため,工学系の分解能を上げた高精度の実験については準備が遅れ,次年度使用額が生じた.その分を次年度の前半の実験で使用予定.また,実験で得られる密度以外のデータを得るための数値シミュレーションに関しては,逆に予定より準備が進んでいるため,それについても数値シミュレーション用ワークステーションの処理能力増強に使用予定である.
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