研究課題/領域番号 |
20K04291
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
松谷 巌 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (00514465)
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研究分担者 |
遠藤 正樹 東京電機大学, 理工学部, 教授 (80259837)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | エバネッセント光 / 衝撃波 |
研究実績の概要 |
本研究はプリズムー液体界面におけるエバネッセント光を発生させ、それによる液体への超音波の導入により衝撃力が発生するメカニズムを理解し、同時にその応用(例えばドラッグデリバリ等)を模索してゆくものである。前年度においてはエバネッセント光発生装置を完成させたため、今年度はエバネッセント光による衝撃波を可視化(シュリーレン法)する装置を構成し、水滴に対してエバネッセント光を照射すると急激な沸騰による液体の飛散を確認した。これを応用すれば新しいプリンタヘッドとなり、従来のインクだけでなく様々な物質を飛ばして3Dプリンティングとなる可能性を見出した。生体細胞を飛ばして3次元的に組織を形成するティッシュエンジニアリングにもつながりうる。しかしながら注意深く実験を進めた結果、プリズムー液体界面におけるエバネッセント光によって液体を爆発させているのではなく、プリズムを通過した光が液体表面で全反射して液体表面で爆発を起こしていることが判明した。レーザ光の全反射点における折り返しによって光強度が二倍に増強していることを突き止めた。これをアプリケーションとして応用するのも面白いと思われるが、我々はあくまでエバネッセント光にこだわることを検討している。すなわち、エバネッセント光が発生している点にナノ粒子や回折格子などを配置してエバネッセント光そのものを近接場光の発生源として利用し、光強度の増強を狙う手法を考えることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プリズムー液体界面におけるエバネッセント光によって液体を爆発させているのではなく、プリズムを通過した光が液体表面で全反射して液体表面で爆発を起こしていることは予想外のことであった。一見するとここで大幅なロスが発生したとも考えられるが、七転び八起きであり、徹底的に検討し直した結果それならそれでエバネッセント光自体を近接場光との相互作用によって増強するという着想を得たことは予想外の進展とも言える。したがって全体としてはおおむね順調に進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
エバネッセント光発生装置(パルスレーザを三角プリズムで全反射させるための光路調節機構)を構築し、水滴に対して照射した時の突沸(爆発)現象およびそれによる衝撃波や超音波の発生機構を理解する。ナノ粒子や回折格子などを用いてエバネッセント光を増強する検討を行う。具体的には電磁界シミュレーションソフトのCOMSOLを利用して、エバネッセント光と近接場光の相互作用に関する基礎的な研究を行う。エバネッセント光を増強させるために、ナノ粒子や回折格子などのナノ構造物を利用し、近接場光を励起する。増強させたエバネッセント光によって液体を蒸発させるなどのアプリケーションを開拓する。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画していた衝撃波の可視化については検討のみで、実際にはエバネッセント光の増強方法を検討する方向に舵を切ったから。
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