大気乱流中で雲粒が形成する不均一分布(乱流クラスタリング)によってレーダー反射強度が増加する効果を明らかにするために,乱流中の多数の粒子の運動を直接数値計算により調べた.数値計算を大規模化して実際の大気乱流により近づけることで,従来知られていなかった大スケールのクラスタリング構造を発見した.また,このようなクラスタリングの形成機構を明らかにするために,テセレーション解析の応用による粒子の収束・発散挙動の解析手法を開発した.フーリエ解析,ウェーブレット解析,および新規に開発したマルチレゾリューション解析を適用し,クラスタリングとその形成挙動のマルチスケール構造を明らかにした.
|