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2020 年度 実施状況報告書

音場における熱物質移動の物質分離場としての利用

研究課題

研究課題/領域番号 20K04303
研究機関名古屋大学

研究代表者

藤木 淳平  名古屋大学, 工学研究科, 特任講師 (20530190)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード物質分離 / 音場 / 吸着 / 二酸化炭素
研究実績の概要

音場内において吸着速度が促進する現象に着目し、熱物質移動を伴う音場が吸脱着特性に及ぼす効果を解明することで、音場を高効率な物質分離場として利用した革新的分離プロセスの開発に繋がる知見を得ることを目的とする。本年度は、音波を入力することが可能な固定層型反応器を付随する音場評価装置を作製し、吸着材を設置せずに音場自体が物質分離に与える効果に関して評価を行った。まず、反応器内にスイープ波を発生させ、その際の圧力センサの信号をFFT解析することで反応器の共鳴周波数を実験的に求めた。次に、既定濃度のCO2ガスを反応器に充填し、スピーカーにより反応器の共鳴周波数を入力することで、反応管内に音響定在波を発生させた。その際の圧力センサ2箇所の圧力変動と位相をFFTアナライザにより計測し、それらを2センサ法により解析することで管内の音場を決定した。上記の検討により、スピーカーの設定条件と音場の関係が実験的に得られた。次に、反応器の任意の3箇所にCO2センサを設置した後、既定濃度のCO2ガスを反応器に充填し、スピーカーにより既定の音場を発生させ、反応器の各位置におけるCO2濃度の変化を測定した。その結果、本実験条件下においては、音響定在波による濃度分極の発生は認められなかった。したがって、次年度実施する吸着試験においては、濃度分極に関する効果について試験結果から除外できることが示された。しかしながら、音場による吸着促進について検証するためには、濃度分極についてより詳細に評価をする必要があるため、追加の試験を実施した後、吸着促進試験を実施することとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り評価装置の作製を行い、予定していた概ね全ての試験条件において音場による濃度分極の評価を実施した。検討できなかった条件に関しては、次年度引き続き実施する予定である。

今後の研究の推進方策

前年度得られた知見に基づき、詳細な吸着試験を計画、実施し、音場が吸脱着特性に及ぼす効果に関する実験的な知見を得る。

次年度使用額が生じた理由

研究進捗状況を考慮して当初予定していた学会発表を延期したため、差額が生じた。
使用計画としては、基本的に当初の助成金使用計画に沿って予算執行する。前年度残金は、学会での成果発表の費用に充てる。

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公開日: 2021-12-27  

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