植物には細胞膜の外側に硬い細胞壁があるため、凍結保存では間隙の水分膨張が細胞膜を損傷するので、個体再生が不能である。そこで、本研究は、歳差磁場下で植物細胞内に過冷却を促進・持続させて耐寒温度を下げれば、多発休眠の覚醒期間が遅れることに注目した。植物遺伝資源の長期低温貯蔵技術を確立することを目的として、植物球根株をもちいて、振動磁場下で任意の低温温度設定で植物株を歳差運動させ、植物株の過冷却状態が長時間持続し、且つ植物株の成長点が再生した。植物球根株を超伝導量子干渉素子装置と磁化特性測定システムにより、球根株には約5~10ngのマグネタイトが存在しすることを明らかにした。
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