エネルギー資源の乏しい我が国では,エネルギーの有効利用の観点から,排熱を含めた未利用熱エネルギーの有効活用は重要な課題である.熱エネルギーの有効活用において,高効率で省エネな熱輸送技術は欠かせない.今日までに様々な無電力駆動の熱輸送技術が確立されているが,いずれの技術においても機器の吸熱側と排熱側の役割が固定されているため,空調用ヒートポンプなどの双方向熱輸送を必要とするシステムなどに適用する場合には,電動バルブや中間熱交換器などの機器が必要となる.本提案の自律型の双方向熱輸送技術を用いることで,無電力で簡素な熱輸送技術を実現することができるため,脱炭素化への貢献が期待される.
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