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2022 年度 実施状況報告書

隣接多点薄膜温度センサによる局所熱伝達と壁面近傍移流速度の計測

研究課題

研究課題/領域番号 20K04316
研究機関明治大学

研究代表者

中別府 修  明治大学, 理工学部, 専任教授 (50227873)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード熱伝達 / MEMS / 熱流束センサ / 移流推定
研究実績の概要

本研究では,乱れを伴う流動伝熱場における瞬時局所熱流束を多点薄膜センサで計測し,
壁面近傍の移流速度を熱流束信号から抽出する技術を開発し,導出される移流速度の物理的意味と熱伝達の関係を明らかにする。この技術は,エネルギー機器内における流動・熱伝達特性を壁面側からプローブ型センサで計測可能とし,流動・熱伝達特性の理解の深化と伝熱促進や抑制技術に資する情報を提供するものである。
コロナ禍で計画通りに研究遂行ができていないが,今年度は,シリコン基板上に隣接4点センサをMEMS技術で製作し,熱流束を正しく計測するために必要なセンサ特性値の決定方法と隣接4点熱流束からの移流速度推定法の改善を行った。
表面温度と基板内部の温度計測データから非定常熱伝導解析で壁面熱流束を算出する際に,直流から数kHzまでの高周波数領域で正しく熱流束を計測するためには,薄膜センサ部特有の熱抵抗,基板内部の測温センサ周りの熱抵抗と遅れ時間を決定する必要がある。薄膜部の熱抵抗を自己発熱較正で決定し,内部測温点の熱抵抗と遅れの時定数をセンサ表面への加熱噴流による既知熱流束の付与と0.1~10Hz程度の低周波数光加熱に対する応答から決定する方法を開発した。
移流速度推定では,隣接4点センサを高温空気流にさらし,隣接4点熱流束計測を行い,熱流束の変動成分の相互相関解析より,6組の遅れ時間を求め,4組の壁面平行な移流速度ベクトルを算出し,4ベクトルの一貫性から不適切な結果を排除することで,移流推定の精度が改善されることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

昨年度はコロナ禍からの回復過程にあり,研究活動も徐々に戻りつつあったが,本研究では,MEMSセンサの製作に関してクリーンルーム設備の利用方法に依然として制限があり,予定通りの進捗ができない状況であった。具体的には,コロナ以前では,機器の利用時間は制限がない状況であったが,機器の利用が日中の8時間程度に制限されたため,センサ製作が進まない状況が続いた。
また,研究室内での活動に関しても,密を避けた運営を続けていたため,活動度が低下した状態で,研究進捗が進まなかった。

今後の研究の推進方策

研究期間の延長を行っており,今後,計画した5点センサ,7点センサでの移流推定技術の開発と推定された移流速度と熱伝達の関係を調べる研究を実施する。
多点センサの製作,駆動はこれまでの3点センサ,4点センサのノウハウを利用し,駆動回路の増設で1年間で実施する見込みである。また,推定された移流速度と熱伝達の関係では,移流速度が推定されれば,熱流束,壁面温度,気流温度から相関をすぐに得られる見込みであり,従来の乱流熱伝達特性との比較を実施することで,その評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響で,予定通りのセンサ製作ができず,また,研究室の活動度が低い状態での運営となったため,研究の進捗が遅れた。本研究は延長を申請しており,次年度に,予定の研究を進めるために次年度使用額が生じている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 隣接4点熱流束センサによる強制対流熱流束計測2023

    • 著者名/発表者名
      鋤柄文也 ,長洞舜樹,中別府修,鎌田慎
    • 学会等名
      第60回日本伝熱シンポジウム

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公開日: 2023-12-25  

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