本研究では,隣接多点のMEMS薄膜熱流束センサを製作し,強制対流場において非定常な壁面熱流束を計測するとともに,隣接複数点の熱流束信号から,壁面近傍の移流速度を推定する手法の開発を行った。延長1年を含む4年間の研究において,シリコン基板,アルミ合金基板を用いた4点,5点,7点センサを試作し,空気の強制対流場での実験的研究を実施した。熱流束の相互相関解析から隣接点の遅れ時間を求め,4点センサでは4つの沿面速度ベクトルを,5点センサでは9つの沿面速度ベクトルを算出するアルゴリズムを開発し,算出ベクトルの標準偏差を用いた過誤ベクトルの除去を行うことで,信頼性の高い推定速度を得る方法を開発した。
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