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2021 年度 実施状況報告書

可変コンプライアンスによる適応クローラロボットのリアルタイム環境適応能力発現

研究課題

研究課題/領域番号 20K04369
研究機関愛知工業大学

研究代表者

奥川 雅之  愛知工業大学, 工学部, 教授 (50290747)

研究分担者 木村 哲也  長岡技術科学大学, 技術経営研究科, 准教授 (70273802)
大金 一二  新潟工科大学, 工学部, 准教授 (70255230)
衣笠 哲也  岡山理科大学, 工学部, 教授 (20321474)
大坪 義一  近畿大学, 理工学部, 准教授 (90257973)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード移動ロボット / 不整地走破 / 対地適応性 / 環境適応 / 移動知 / コンプライアンス / ダイナミクス / 標準試験法
研究実績の概要

本研究は,サブクローラ回転ジョイント駆動系に対して可変コンプライアンス制御系を実装することにより,種々の走破/踏破環境に対するリアルタイム環境適応能力の発現を目指し,(1) 種々の走破対象(階段,濠/溝)に対するコンプライアンス性の影響に対する考察,(2) 可変コンプライアンス制御によるリアルタイム環境適応能力の発現,(3) 操縦者に優しいロボットの実現(レスキュー隊員や点検作業者による評価実験の実施)を研究課題としている.
モータでサブクローラ回転ジョイントを制御可能な能動適応クローラロボットに対して,生物が有するリアルタイム環境適応能力(移動知)の発現方法として,本研究では,ロボットと踏破対象路面との相互作用に注目したサブクローラ回転ジョイントのコンプライアンス制御の導入を提案している.前年度の研究成果を整理し,令和3年6月7日及び8日にオンラインにて開催された日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門講演会にて論文発表を行った(論文タイトル「対地適応クローラロボットの押し登りシーケンスにおける障害物とのインタラクション」).関連分野の研究者と意見交換をするとともに,関連発表を聴講し,最新動向の調査を行った.令和3年度は,ロボットと踏破対象路面間で生じるモーメント関係をもとに,サブクローラ回転運動ダイナミクスに関するコンプライアンス制御系設計手法を提案するとともに検証を行なった.
また,前年度製作した試験評価用クローラロボット(全長約60cm,全幅40cm程度,前方左右2本のサブクローラを有する)に対して,制御系実装を試み,,提案手法の検証を行なった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

不整地走破性能を左右する踏破対象障害物とロボットが接触する際のサブクローラ拘束角度を設計条件としたコンプライアンス制御系設計手法の検討を行った.ロボットと踏破対象路面間で生じる相互作用(モーメント関係)をもとに,モータで駆動されるサブクローラ回転軸の回転剛性(コンプライアンス)を仮想的なねじり剛性と見なし,サブクローラ回転軸のコンプライアンスとサブクローラ回転運動ダイナミクスとの関係性を明確にし,コンプライアンス制御系設計手法の提案を行なった.提案する制御系設計手法について、シミュレーションおよび試験評価用クローラロボットを用いた実験により検証した.
その結果,サブクローラ回転軸のコンプライアンスとサブクローラ回転運動ダイナミクスとの関係性に関する理論値と実験値とが一致したことから,その妥当性が確認された.予め算出した最適サブクローラ角度をコンプライアンス制御系の設計指標とすることが可能となった.

今後の研究の推進方策

令和4年度は,前年度の成果をもとに,可変コンプライアンス制御系設計手法の検討を行うとともに,評価試験用ロボットに提案手法による制御系を実装し,検証評価実験を行い,定量的に提案手法の有効性を評価する.具体的な内容を以下に示す.

(1)評価試験用ロボットによる評価:前年度製作した評価試験用ロボットのサブクローラ駆動部にコンプライアンス制御系を実装し,不整地走破性の評価を行う.その際,標準試験法のコンセプトにもとづいて,路面剛性や路面形状について複数パターンを用意した走破性に関するテストフィールドを設計製作し,走行試験を行う.その結果をもとに,サブクローラ回転剛性に関する可変コンプライアンスの有効性を検討する

(2)可変コンプライアンス制御系設計及び実装:サブクローラ回転軸駆動系のコンプライアンス制御系に関して,前年度までに構築された固定ゲインによる制御系実装していたが,路面状況や形状に応じて回転軸のコンプライアンスを適応させるために,可変ゲインによる制御系設計および実装方法について検討する.評価試験用ロボット及びテストフィールドに対して,提案する制御系設計手法の適用を試み検証を行う.

次年度使用額が生じた理由

本年度,使用額が生じた理由は,新型コロナウイルス感染症拡大防止のため諸学会講演会及び国際会議がオンライン化となったため,旅費の支出がなかったためである.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 対地適応クローラロボットの押し登りシーケンスにおける障害物とのインタラクション2021

    • 著者名/発表者名
      三橋知典, 渡邊彩夏, 奥川雅之
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2021

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公開日: 2022-12-28  

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