研究課題
基盤研究(C)
本研究では,空気流入型粒状体ダンパの減衰力特性と,空気流入型粒状体ダンパを組み込んだ振動系の振動特性を実験的に調べた.その結果,粒状体ダンパを水平方向に設置した場合の減衰力特性と振動特性はともに,流入させる空気流量の違いによる顕著な差は見られなかった.一方で粒状体ダンパを鉛直方向に設置した場合の減衰力特性と振動特性はともに,流入させる空気流量の違いにより顕著な差が確認できた.以上のことから,空気流入型粒状体ダンパは,鉛直方向に設置することで減衰力可変ダンパとして機能することが明らかになった.
機械工学
本研究では,粒状体ダンパの有効な減衰力可変方法を示した.このことにより粒状体ダンパも,状況に応じて減衰力を変化させることが求められる際に使用できるダンパの候補の一つとして挙げることができるようになったものと思われる.このことは,現在広く使われているオイルダンパの代わりとして粒状体ダンパを用いることができる適用範囲が広がったことを示唆しており,オイルダンパが引き起こす可能性がある環境問題や資源問題の解消につながることが期待できる.