研究課題/領域番号 |
20K04381
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
張 明 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 客員教授 (90869314)
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研究分担者 |
呉 景龍 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (30294648)
江島 義道 岡山大学, 自然科学研究科, 客員教授 (60026143)
高橋 智 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 准教授 (20236277)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 空間注意 / 注意リズム効果 / 周辺視野 / 状況認識 |
研究実績の概要 |
本研究今年の研究計画としでは、申請者らの従来研究成果を生かして、状況認識測定のタスクの研究開発の経験を活かして、従来のSAGAT (Situation Awareness Global Assessment Technique)方法に踏まえて、眼球運動測定や、行動学測定を用いてより客観的な測定方法を研究開発し、眼球の動きや行動学的な指標と状況認識との関係を解明する。さらに、車両制御、監視、危険回避などの運転プロセスを通じて、高齢者の注意と状況認識の実験タスクを考案する。 上記の計画の通り、申請者らの従来の成果を生かして、若年者の注意と状況認識の実験タスクを考案し、評価実験を行った。まず、申請者らは注意のキュー-ターゲット実験パラダイムを利用して、人間の注意のリズム効果が見られた、そのリズム効果は人間の視野など物理的な距離と関与しないことも明らかにした。本結果により、高齢者に適用できる状況認識と注意リズム効果の関連性についての実験タスクの考案、実施などの実現ができると考えられる。この成果は2020年の国際学術誌「frontiers of Psychology」に掲載されている。また、安全運転に最も関与する人間の周辺視野の認知能力に関して、研究者らはガボール刺激を用いて、若年者のに対する周辺視野の認知能力を検討した。結果では、人間は周辺視野に対して高い空間周波数とともに、低い空間周波数の視覚刺激の認識能力が低下することが分かった。この結果では、高齢者に対する周辺視野特徴の実験タスクの考案も適用できる考えられ、重要な効果が見られた。これらの成果は同年の「Attention, Perception, & Psychophysics」と「Perception」国際学術誌に掲載されている。ほかの研究成果を合わせて、合計5件の国際学術誌論文が掲載された。来年度の研究計画では、現在までの成果に基づいて、高齢者に適用できる注意と状況認識の実験タスクを考案し、実施することを目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年末からコロナの影響を受け、申請人は日本での直接の研究活動が難しくなっており、研究の進みはネットミーティングで行っていた。その原因で、本研究の計画の通り、車両制御、監視、危険回避などの運転プロセス解明や、日本の高齢運転者の運転特徴などの測定がやや遅くなっている。来年度では、上記の遅れた研究内容を早めに完了し、予定通り研究を進める。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究計画は、まず研究①に遅れた研究内容を完了し、また研究者らの成果を踏まえて、申請者らは注意訓練による状況認識の支援効果について、検証する。注意訓練と状況認識増進効果の関連性を検討するため、注意の喚起ネットワーク訓練、指向ネットワーク訓練と実行制御ネットワーク訓練の実施とデータ解析の結果に基づいて、注意訓練による高齢者の状況認識の支援方法を提案し、ドライビングシミュレータを用いて高齢運転者への支援効果を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年末からコロナの影響を受け、申請人は日本での直接の研究活動が難しくなっており、研究の進みはネットミーティングで行っていた。その原因で、本研究の計画の通り、車両制御、監視、危険回避などの運転プロセス解明や、日本の高齢運転者の運転特徴などの測定がやや遅くなっている。来年度では、上記の遅れた研究内容を早めに完了し、予定通り研究を進める。
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