研究課題/領域番号 |
20K04414
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
丸山 武男 金沢大学, 電子情報通信学系, 准教授 (60345379)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 光無線給電 / 光空間通信 / 画像処理 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
情報通信において「無線」化は常識となり、これによりモバイル機器の自由度は格段に広がった。一方、電力供給(以下、給電)においては、バッテリーを用いることで機器の「無線」化を実現している。しかしバッテリーの充電には「配線」を用いるため、真の「無線」化を実現するには給電においても「無線」化が必要である。遠距離給電やドローンなど移動体への給電に対しては、スマートフォンの無線給電に用いている磁界結合方式は不適合であるため、マイクロ波や光による無線給電が提案されている。本申請では、遠距離および移動体への給電に適した光無線給電システムの実現と、光空間通信技術のハイブリッド化の構築を目指す。 そして今年度初めに目的とした「給電の高出力化」と「光無線給電システムと光空間通信技術のハイブリッド化」を実現した。具体的には下記のとおりである。 「給電の高出力化」は、数10Wの赤外線レーザと高出力用光検出器を用いて10Wクラスの光無線給電を実現した。給電効率は20%である。 「光無線給電と光空間通信技術のハイブリッド化」については、空間光通信において伝送帯域3GHzを実現した。発振器が3GHzまでであるため、それ以上の帯域の確認はできていないが、10GHzの帯域が期待できる。そしてこれら二つのビームをダイクロイックミラーを用いて合波、分波させ距離2メートルにおける無線ハイブリッド伝送システムを構築した。 さらに空間位相変調器を用いて任意形状ビームの形成のも成功し、効率化も実現している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 今年度の目標である「給電の高出力化」と「光無線給電システムと光空間通信技術のハイブリッド化」について次の成果を得た。 「給電の高出力化」は、数10Wの赤外線レーザと高出力用光検出器を用いて10Wクラスの光無線給電を実現した。 「光無線給電と光空間通信技術のハイブリッド化」については、空間光通信において伝送帯域1GHzを実現し、給電とのハイブリッドシステムも構築した。 さらに空間位相変調器を用いて任意形状ビームの形成のも成功し、効率化も実現している。 上記結果を学術論文1本、国際会議3件、国内会議3件発表した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は「給電の高出力化」と「光無線給電システムと光空間通信技術のハイブリッド化」の両立を目指し、具体的に映像信号などの情報伝送を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
少額でありゼロ円に調整するために不必要な物品を購入するより次年度の予算と合算した方がよいと考えたため。
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