無線通信やインターネットの普及と情報機器の高性能化により、いつでもどこでも情報検索が可能となり、現代生活はこれら技術の上に成り立っている。しかし充電時には「どこでも」の条件が満足しなくなる。そこで無線給電が真のIoT社会実現への重要な技術となる。我々は長距離化、システムの簡素化、ビーム走査に優れている光方式による無線給電を採用している。さらに光無線通信技術を導入することで、電力とデータの同時無線伝送が可能となる。そこで我々はダイクロイックミラーを波長分波器として用い、また電力用とデータ通信用にそれぞれ異なる波長の半導体レーザーを使用することで、ワット級かつGHz以上の無線伝送が可能となる。 具体的には送信部の電力用には波長980nm、出力10Wの半導体レーザー、データ通信用には波長850nm、帯域12.5GHzの半導体レーザーを用意した。受信部は電力用にはPN接合25層の太陽電池、データ通信用には帯域25GHzの光検出器を用いた。このシステムにより、1.4Wの電力と10GHzの信号伝送を実現した。 また画像認識とガルバノミラーによるビーム走査による移動体への光無線給電システムを作製し評価した。CMOSカメラによる画像を元に、特定色画素抽出用法を用いて対象物を認識した。またマーカーとして赤外光LEDを装荷し、暗闇でも認識可能となった。さらに点滅させることで屋外での対象物認識が可能となった。そして移動体へのビーム走査には対象物の位置予測も重要であり、 機械学習による予測をすることで対象物とビームのミスマッチを低減した。
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