送電コイルと受電コイルの磁界共振を利用し,体内埋込型補助人工心臓などの医療機器に,高効率でワイヤレス電力供給する方法(経皮電力伝送)がある.これらの送電コイルは皮膚の上に置かれ,受電コイルは体内に埋め込まれる(経皮トランスと呼ぶ).経皮トランスは,あらかじめ絶縁樹脂により防水処理を施すが,100k~20MHzの高周波電圧が印加されているため,絶縁樹脂中の容量成分を通過して高周波電流が人体に漏れてしまう.本研究ではこれを高周波患者漏れ電流と名付けは,発生場所,流れるルート,電気等価回路,安全の閾値以下に低減させることは可能かなどの疑問を,解析と実験から明らかにした.
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