研究課題/領域番号 |
20K04437
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
岩路 善尚 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (90604645)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 永久磁石同期電動機 / 定数同定 / 同期マイナーサンプリング |
研究実績の概要 |
(1)モータのパラメータを、オンラインで同定するアルゴリズムを考案し、MATLAB/Simulinkにより動作を確認した。永久磁石同期モータのセンサレス駆動における起動シーケンスを利用し、巻き線抵抗の同定、インダクタンスの同定、発電定数の同定を順番に行った。直流通電の際に巻き線抵抗を同定し、その値を利用して同期駆動を行い、同期駆動中にインダクタンスを測定する。この一連の動作により電流制御系を構築して、センサレス駆動を行う。センサレス駆動中に、発電定数の同定を行う。尚、シミュレーションでは、同期マイナーサンプリング処理を組み込み、実動作に即した制御モデルを構築することができた。シミュレーションでは、定数の真値に対して、±5%の範囲で同定可能であることを確認した。 (2)実験装置の準備として、最新のモータ制御マイコンを使用したコントローラを試作した。センサレス制御を実装して、基本動作を確認した。また、本研究の中心となる同期マイナーサンプリング部分のOS(オペレーションシステム)を構築し、ベクトル制御処理よりも短い周期の割り込み動作を確認した。 (3)試験用のインバータを作成して、指令通りの電圧が出力されることを確認した。 R3年度において、試作したコントローラに開発した同定アルゴリズムを実装し、実機による動作検証を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通りに進んでおり、概ね順調である。シミュレーションによって、同期マイナーサンプリングが模擬できるようになったのは、大きな成果である。ソフトウエアの実装前に、シミュレーション上での検証が幅広く行えた。 R3年度からソフトウエアの実装に入るが、ソフト構造がより複雑になるため、デバッグ期間を長くとりたい。また、現在半導体が品薄となっているので、実験中に破壊すると計画が遅れる可能性があるため、保護装置関係は強化して進めたい。
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今後の研究の推進方策 |
試験ソフトの実装と、モータ試験台を作成して実機による検証を進める。対象とするモータを、産業用の小型モータとしているので、できれば他の用途のモータでも検証を行いたい。特に、定数未知の外国製モータなどを利用して検証したいと考えている。
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