研究課題/領域番号 |
20K04458
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研究機関 | 有明工業高等専門学校 |
研究代表者 |
河野 晋 有明工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (30270375)
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研究分担者 |
冨永 伸明 有明工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (30227631)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | エレクトロポレーション / 遺伝子導入 / ナノ秒高電圧 / HL-60 / RAW264.7 |
研究実績の概要 |
まずは短時間(50,100,200,250ナノ秒)の高電圧(1~4キロボルト)の負極性の矩形波電気パルスと幅広い長時間(ミリ秒オーダー)の幅広い電圧(数十ボルトから数百ボルト)の正極性または負極性の矩形波電気パルスを発生するためのパルス発生装置とそれらの出力のタイミングをコントロールするためのトリガ信号発装置などを製作した。 これらを用いて,種々の組み合わせパルスを発生できるシステムを用いて,まずは,白血病細胞株HL-60 (Human promyelocytic leukemia cells)を対象として,GFP導入の実験を行った。 "負極性"高電圧パルスに続いて印加するミリ秒低電圧パルスの極性を変化した実験結果より,ミリ秒低電圧パルスの極性は"正極性"よりも"負極性"としたほうが,明らかにGFP発現個数が多くなることが分かった。また,高電圧パルスからミリ秒低電圧パルスを印加するまでのインターバル時間を変化した実験結果より,インターバル時間が100マイクロ秒~10ミリ秒程度のときのほうが,同時間が100ミリ以上に比べ,GFP発現個数が多くなることが分かった。 新しい対象細胞であるマウス単球性白血病由来細胞株RAW264.7に対しHL-60細胞と同様の実験を行った。その結果,GFP発現個数の高いパルス条件についてのデータを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスにより,移動自粛や出張禁止などの理由で,外部との連携実験などが縮小・延期・中止になったため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度も,新型コロナウィルスが危惧されるが,万全な対策をしながら外部と連携実験を進めることで,種々の細胞に対する本手法による遺伝子導入効率に関する知見(データ)を蓄積していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は,新型コロナによる社会情勢を受けて,学会や学外実験などが中止や延期となり,参加できる機会がなく,旅費やその他経費が残った。本年度(や来年度),これらに参加する回数を増やしていきたいと考えている。
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