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2022 年度 実施状況報告書

論理機能切替え可能な全光論理回路と大容量光通信への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K04473
研究機関東京理科大学

研究代表者

八嶋 弘幸  東京理科大学, 工学部情報工学科, 教授 (30230197)

研究分担者 五十嵐 保隆  東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 准教授 (80434025)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード光論理演算回路 / QD-SOA
研究実績の概要

本研究ではQD-SOA を用いた全光論理回路と全光復調器に関する研究を実施した.まず、入力数および論理演算子切替機能付き全光論理回路を提案した.提案する全光論理回路は入力信号の変調方式がRZ-BPSK信号であることから,任意の入出力信号に対して再構成可能な回路構成ではない.しかしながら,入力信号の一部および出力信号はいずれもRZ-OOK信号であることから,提案する全光論理回路は部分的に再構成可能な構成であることが考えられる.それ故,提案した全光論理回路は再構成可能な多機能全光論理回路である.
また、4入力全光XOR 論理回路を提案した.4入力のXOR演算を実現する複数の全光XOR論理回路構成間の特性の違いを明らかにした.提案する全光論理回路は入力信号がRZ-BPSK信号,出力信号がRZ-OOK信号であることから,提案する全光論理回路は再構成可能な構成ではない.よって,提案した全光論理回路は同時に4入力データの信号処理が可能な多機能全光論理回路であることが考えられる.さらに、再構成可能な全光全加算器回路を提案した.全加算器を実現する複数の全光全加算器回路構成間の特性の違いを明らかにした.また,カスケード接続によるripple carry adder 構成における出力信号品質の劣化特性を明らかにした.入出力信号はRZ-OOK信号であることから,再構成可能な回路構成であると考えられる.それ故,提案した再構成可能な全光全加算器回路は同時にSum およびCarryを出力することができることから,多機能全光論理回路であることが考えられる.
本研究を通じてRZ-BPSK信号を入力とするQD-SOAを基本素子とした全光論理回路の拡張性の高さを明らかにし,全光論理回路に関連する研究分野の発展に貢献することができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、まず、入力数および論理演算子切替機能付き全光論理回路を提案した.提案する全光論理回路は入力信号がRZ-BPSK信号であることから,任意の入出力信号に対して再構成可能な回路構成ではないが,入力信号の一部および出力信号はいずれもRZ-OOK信号であることから,提案する全光論理回路は部分的に再構成可能な構成であることが考えられる.それ故,提案した全光論理回路は再構成可能な多機能全光論理回路であり、ほぼ計画に沿って進んでいると言える.
また、4入力全光XOR 論理回路を提案した.4入力のXOR演算を実現する複数の全光XOR論理回路構成間の特性の違いを明らかにした.これは計画以上に進んでいると言える。

今後の研究の推進方策

光CDMAは他ユーザからの干渉による性能劣化があり、多重度があまり高くできないという問題点がある。これまでの研究で示した論理演算回路の後半部分(QD-SOA以下)は、QD-SOAの相互位相変調および相互振幅変調と呼ばれる非線形効果を利用したアナログ入力信号の弁別効果、すなわち、0,1のデジタル出力とする機能を持つ。干渉で劣化した光CDMAの出力信号をこの回路に通し、波形整形し干渉の除去を行い、多重度を実用レベルまで上げる。
一方、光CDMAはユーザごとに異なる符号を用いるため、長い符号を用いれば光CDMA自身がセキュリティ効果を有する。そこで、暗号と組み合わせ二重のセキュリティを持たせ、そのセキュリティ強度を評価する。光CDMAの符号として、波長領域と時間領域の2次元符号とし、なおかつ、N情報ビット毎にLN チップの長さ(Lは1ビット当りの符号長)かつ多値系列のユーザ符号(多値・長符号)を用いる。また、暗号としては種々の共通鍵暗号(KASUMI, Midori64, 128等)とし、最も解読されやすい条件として、単一送信者の送信端で送信信号が盗聴されたと仮定し、高階差分攻撃、中間一致攻撃、補間攻撃等の最新の攻撃法を適用し、符号長と多値数等のパラメータと安全性の関係を求め、定量的にセキュリティ強度を評価し、提案法が高いセキュリティ機能を有することを明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

37,241円の端数が残った。翌年度分の助成金と合わせて使用する予定である.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Symbol-Level Detection With Matched Non-Binary LDPC Codes for Position Errors in Racetrack Memories2023

    • 著者名/発表者名
      Shibata Ryo、Yashima Hiroyuki
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Magnetics

      巻: 59 ページ: 1~9

    • DOI

      10.1109/TMAG.2022.3214932

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Windowed-based synchronization error-correction for spatially coupled codes2022

    • 著者名/発表者名
      Shibata Ryo、Yashima Hiroyuki
    • 雑誌名

      IEICE Communications Express

      巻: 11 ページ: 697~702

    • DOI

      10.1587/comex.2022XBL0121

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NMRS信号及びその差分信号のスパース性に基づいたデノイジング手法の提案2022

    • 著者名/発表者名
      久保田 悟、雨車 和憲、田中 勇帆、古川 利博、八嶋 弘幸
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌 C

      巻: J105-C ページ: 376~383

    • DOI

      10.14923/transelej.2022JCP5006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Integral Cryptanalysis on Reduced-Round KASUMI2022

    • 著者名/発表者名
      SUGIO Nobuyuki、IGARASHI Yasutaka、HONGO Sadayuki
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences

      巻: E105.A ページ: 1309~1316

    • DOI

      10.1587/transfun.2021EAP1124

    • 査読あり
  • [学会発表] 軽量ブロック暗号ALLPCに対する中間一致攻撃2023

    • 著者名/発表者名
      山﨑 寛斗、五十嵐 保隆
    • 学会等名
      2023年 暗号と情報セキュリティシンポジウム
  • [学会発表] MILPを用いた軽量ブロック暗号SHADOW-32の線形攻撃耐性評価2023

    • 著者名/発表者名
      野畑開、五十嵐保隆
    • 学会等名
      2023年 暗号と情報セキュリティシンポジウム
  • [学会発表] ブロック暗号KASUMIに対するBit-Based Division Propertyの適用に向けた解析(III)2022

    • 著者名/発表者名
      杉尾信行, 五十嵐保隆, 本郷節之
    • 学会等名
      令和4年度 電気・情報関係学会北海道支部連合大会
  • [学会発表] A New Higher Order Differential of RAGHAV2022

    • 著者名/発表者名
      Naoki Shibayama and Yasutaka Igarashi
    • 学会等名
      Proc. of The Tenth International Symposium on Computing and Networking
    • 国際学会
  • [学会発表] ブロック暗号MISTY2に対するBit-Based Division Propertyを用いた積分特性探索2022

    • 著者名/発表者名
      杉尾信行, 五十嵐保隆, 本郷節之
    • 学会等名
      令和4年度 電気・情報関係学会北海道支部連合大会

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公開日: 2023-12-25  

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