最終年度は、光CDMA(Code Division Multiple Access)の全光干渉除去と暗号との併用による情報セキュリティの向上に関する研究を行った。 Super Structured Fiber Bragg Grating Optical CDMA におけるQuantum-Dot Semiconductor Optical Amplifier Mach Zehender interferometerで構成した干渉抑圧器を提案した。様々な条件での多重通信について解析を行い,全ての符号の組み合わせにおいてPCR が改善され,また多元接続干渉が軽減されることを確認した. LBC-3は2022年に提案された64ビットブロック暗号であり,鍵長は80ビット,ラウンド数は20である.まず,混合整数線形計画法を用いたBit-Based Division Propertyによって積分特性を調査した.その結果,63階差分を用いた特性の網羅的な調査から,最良の特性として既存の60階差分特性を上回る特性が存在しないことがわかった.また,新しい16ラウンドの48階差分特性を発見し,これを利用したフルラウンドのLBC-3に対する攻撃の高速化により,必要な選択平文数及び計算量は従来に比べて大幅に削減できることを示した。 研究期間全体を通して、簡単な構成で複数の論理演算機能に切替え可能な全光論理演算回路と、その大容量光通信への応用を提案し、提案方式の有効性を示した。 具体的な研究内容は次の3点である。①複数の論理演算機能に切替え可能な高速で動作する全光論理演算回路の提案、②提案論理回路を組み合わせ、超高速位相変調信号の復調への応用、③提案する全光論理演算回路を全光CDMAの受信器の干渉抑圧に用いて多重度を上げ、暗号化と併用したセキュリティ通信システムの提案を行った。
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