水中音響通信での受信ビームフォーミングは通信を安定化する手段として利用され、送信ビームフォーミングは通信伝送範囲を拡大する手段として用いられる。水中音響通信で送信ビームフォーミングの実験検証を行った研究事例は少なく、端末位置変動に対応した手法は検討されていなかった。本研究ではレトロディレクティブ方式の通信性能評価を海域試験や水槽試験で実施し、通信品質を示すOutput SNR値で平均12dB改善する成果が得られた。この成果は水中音響通信の伝送範囲を拡大するのに有効であり、水中ロボットや水中ドローンの機能高度化に寄与するものを考えられる。
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