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2021 年度 実施状況報告書

非線形振動解析法を用いた低位相雑音多相CMOS LC発振器の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K04482
研究機関福井大学

研究代表者

茂呂 征一郎  福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (00303363)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード結合発振器 / 同期現象 / 多相同期 / 位相雑音 / 非線形振動論
研究実績の概要

昨年度までの研究により,本研究で検討する結合CMOS LC発振器の動作解析を行う手法として,非線形振動回路の周期解を導出するためのハールウェーブレット変換を用いた新たな手法を開発した.また,その逆問題を考えることで,実験などから得られた時系列データを用いて,回路パラメータを推定する手法も提案した.本年度は昨年度までに提案した回路解析手法を更に改善するとともに,その結果および,昨年度購入した電磁界解析ソフトウェアと現有の回路シミュレーションソフトを用いた回路の位相雑音解析を詳細に行った.また,回路へのコンデンサの付加による雑音軽減手法を提案し,その有効性を確認した.具体的には高次の周波数成分を含む雑音信号をコンデンサによって除去する手法を提案し,回路に見られる雑音を低減する効果があることを確認した.以上本年度の研究成果により,本年度の当初目標であった,(d) ISF(インパルス感度関数)を用いた数理モデルの詳細な解析,(e) 位相雑音を低減するための最適な回路パラメータの導出,を達成することができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記で示したように,昨年度までに提案した回路解析手法および,昨年度購入した電磁界解析ソフトウェアと現有の回路シミュレーションソフトを用いて回路の位相雑音解析を詳細に行い,雑音の軽減につながる回路構成を示すことができたため,ほぼ研究計画書に示した想定通りに進捗している.

今後の研究の推進方策

本年度までの研究により,システムの数理モデルを導出し,そのモデルを用いて,システムの性能を表す重要な指標である位相雑音を導出することができた.今後は,数理モデルから,非線形振動論において周期振動の安定性などを示す指標となるポアンカレ写像を導出し,その結果より,位相雑音を軽減するための回路パラメータの修正を図る必要がある.これらのプロセスと,前年度までの手法を組み合わせ,さらなる性能向上を目指す.また,改善を実現するシステムを再設計し,最終的に得られたシステムをICチップ上に実装し,実際の波形や位相雑音の測定により,システムの有効性を確認する.

次年度使用額が生じた理由

参加を予定していた学会がオンライン開催に変更となり,旅費および参加費が発生しなかったため,当該年度に余剰が発生した.次年度においては,書籍および消耗品の購入に充てる予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] ハールウェーブレット変換を用いた自律系非線形回路における不安定周期解の解析法2021

    • 著者名/発表者名
      山本 崚太、高松 航平、中林 達哉、茂呂 征一郎
    • 雑誌名

      電子電子情報通信学会論文誌A 基礎・境界

      巻: J104-A ページ: 214~222

    • DOI

      10.14923/transfunj.2020JAP1028

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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