令和4年度は、本研究で最終目的として開発を行ったSDRモジュールに対して耐放射線試験(トータルドーズ試験)を行い、ISS放出軌道で5年間以上の稼働に必要とされる基準を超える耐放射線性能を持つことを確認した。放射線試験は、東京工業大学のコバルト照射施設で実施した。予算等に余裕があればシングルイベント試験も行いたいところであったが、低軌道(LEO)のCubeSatではトータルドーズ試験のみとすることが一般的であり、この点に関しては特に問題はないと判断した。また、本研究に関する講演会を北海道内外で積極的に行い、その成果として企業と2件の共同研究契約を締結して研究資金を調達し、2022年8月31日に北海道科学大学と宇宙商社であるSpaceBD㈱間で、2024年のISS放出の契約を締結した。同年11月8日には北海道科学大学とSpaceBDで共同プレスリリースをするに至った。 https://space-bd.com/news/20221108.php さらに、本研究成果を社会に還元するために、子供らの科学技術教育に資するためCamSATプロジェクトを立ち上げ、科学教育を行っている団体とコラボレーションをしてHMU-SAT2の開発を行うとともに、科学教室で活用することになった。 https://15sat.jp/ 無線機が一般的にCubeSatに搭載されているものに比べて大幅に小さくなったことから、こどもパソコン「IchigoJam」とレンズがいらない顕微観測装置MID(Micro Imaging Device)の搭載も検討している。
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