研究課題/領域番号 |
20K04508
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研究機関 | 沼津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大久保 進也 沼津工業高等専門学校, 制御情報工学科, 准教授 (80369983)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 複屈折計測 / 偏光計測 / ベクトルビーム / シングルショット |
研究実績の概要 |
本研究では,白色ベクトルビームを光源としたシングルショット偏光状態・複屈折の検出法の実証を目的としている.そのため,面内に様々な偏光状態が分布するベクトルビームの発生をさせ,これを光源としてガラスや高分子膜などの複屈折を高速で計測するための装置の開発が必要となる. 令和3年度においては,前年度にシングルショットで偏光状態および複屈折検出法の確立のため構築した装置を用い,ベクトルビームを発生させ,標準試料の計測を行った.検出偏光光学系を透過後に得られた2次元の光強度分布について高精細CMOSカメラを用いて撮像した.得られた画像を数値化し,画像中心に対して円周方向へ光強度変化特性に変換した後に,このデータをフーリエ解析することで複屈折を算出するソフトウェアの開発し,標準試料としてバビネ-ソレイユ補償子を用いた結果,短時間で複屈折位相差を得ることができるようになった. また,従来の回転位相子法やセナルモン法などの計測結果と比較しても,計測時間,計測手順共に改善されることがわかった.現時点ではまだ単色レーザー(波長650nm)のみの計測に留まっていため,光源に白色光を用いた装置構成に改良する必要がある.また,観察用試料として光学ガラスや光学フィルムなどを用い,従来の複屈折計測法との比較を行う必要がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の目標では,初年度で正確なベクトルビームの発生を,次年度で分光計測を行う予定であった.しかしながら,光学系が複雑なため,正確なベクトルビームを発生させるためには更なる微調整が必要であった.そのため,現時点では単色レーザーを用いており,単色光におけるシングルショット複屈折計測に留まっている. 最終年度では,早急に白色光源による分光複屈折計測を実現する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度は,補助担当の学生に基本的な実験装置・環境についてのレクチャーを行うことができたが,単色光源による計測に留まった.今年度は早い段階で正確なベクトルビームの発生を試み,複数のレーザー(R,G,B)を用い,同時に発振させ分光複屈折計測を試みる.また,従来用いられている手法(回転位相子法や偏光カメラ)等の計測結果と比較し,複屈折位相差の計測分解能を比較し,装置の改善を行う.これにより,使用する光源を白色光とし,連続的な複屈折波長分散の計測を試みる予定である. 本研究においては,本研究室の本科5年生が中心となって行うが,必要に応じて光学系の構築方法について熟知している専攻科1年生にも研究補助として加わってもらい,早い段階で装置の完成および計測・装置の評価を目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究初年度から新型コロナウィルスの影響などで研究開始時期が大幅に遅れてしまったため,計画通りに研究を遂行することが困難だった.また,研究を遂行するにつれ,当初計画していた実験装置以外のやや高額な物品を購入する必要が生じたため,昨年度と今年度の予算を合算し購入する予定である.更には最終年度では,物品の他にも学会発表に関する経費なども予算計上し,また,担当する補助学生への謝金などにも計上する予定である.
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