研究実績の概要 |
申請者の令和元年度までの研究では,独自に開発した方式を導入してリアルタイムで測位可能な超音波測位システムを試作した,しかしながら,超音波送受信機の指向性により送信信号が減衰し,距離測定誤差が生じることが判明した.そこで.本研究課題では,距離測定距離および測位範囲の拡大を目的として,当初の申請計画では次の①~③の課題に取り組んだ. ①受信回路のコンパクト化 ②測定処理の改善 ③フェーズドアレイ送信機の導入による指向範囲の拡大 ①の課題についてはPSoC(Programable System on Chip)マイコンと呼ばれる内部にアナログ回路とCPUが内蔵されたICを用いて受信回路を構築することで達成している.②の課題については当初の計画を修正し,受信処理にFFTを導入することで測定精度の改善を試み,シミュレーションにて距離測定が可能であることが確認できた.③の課題し,複数の超音波送信機を横一列に配置し,それぞれの送信信号の位相を等間隔でずらすことにより,指向方向を制御できることが確認できた.令和4年度では以上の①~③の課題に加えて,今まで使用していた超音波受信機(MA40RS)に変えて新たに超音波受信機(マイクロホン TYPE4156N,株式会社アコー)を購入し,一つの受信機のみで3種類の周波数の送信信号を検出することが可能となった.また,購入した受信機を用いて指向性実験を行ったところ,測位範囲が拡大できることが判明している.
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