研究課題
本年度の成果は以下の通りである。LPVシステム(Linear Parameter Varying)の閉ループ同定について研究を進めた。昨年度第9回制御部門マルチシンポジウム(MSCS 2022)で発表したカーネル法を用いた状態推定について数値的な解析を行った。線形時不変系の閉ループ同定法であるPBSID法の仮定に着目し,過去と未来のデータの行空間の共通部分が0であることに着目した考察を行い,第10回制御部門マルチシンポジウム(MSCS 2023)で発表した。また,MSCS 2022で発表したカーネル法を用いたLPVシステムの閉ループ同定について考察を深め,IFAC 2023で発表予定である。閉ループ部分空間同定法を行う際にARXモデルによる同定がまず行われる。非線形ARXモデルに基づくシステム同定について考察することは,非線形系の状態空間表現でのモデリングに役立つ可能性がある。非線形ARXモデルに対し,乱択化フーリエ特徴関数によるカーネル法を用いた方法について考察した。本結果について,第65回自動制御連合講演会で発表した。部分空間同定法(N4SID)および確定実現を用いながら人の動きのモデリングを行うことで,難易度に応じて次数を決めることにより,人に教示するための方法を考察した。この結果を,Journal of Robotics Networking and Artificial Life に投稿し,採択された。研究期間全体の成果は以下の通りである。閉ループ下にある不安定な線形時不変系の同定対象に対し,その最小実現を求める2つの同定法を開発した。カーネル法を用いたLPVシステムの閉ループ同定法を提案した。部分空間同定法に関することとして,非線形ARXモデルの同定や,システム同定の新たな理論や応用等に関する展開をはかった。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)
Journal of Robotics, Networking and Artificial Life
巻: 9 ページ: 309-315