研究課題
本研究では,サンプル値結合ネットワークシステムの同期問題について,同期を達成するために必要な結合に関する条件を導出することを目的としている.本研究課題を1.サンプル値矩形パルス結合による2つの双方向結合非線形システムの同期問題,2.サンプル点間不変ネットワークにおける非周期サンプル値結合ネットワークシステムの同期問題,3.時変ネットワークにおけるサンプル値結合ネットワークシステムの同期制御問題,の3つのフェーズに分割し,実施してきた.全てのフェーズについて,前年度までにすでに検討を行ってきたが,本年度は特に2.サンプル点間不変ネットワークにおける非周期サンプル値結合ネットワークシステムの同期問題について,さらに検討を進め,特に切り替えにより取りうるネットワーク構造を予め既定せずに,ある特定のノードシステムと他のノードシステムとの接続の有無に着目した同期条件を導出した.ここでは切り替えシステムの安定論に基づいた同期の達成を保証する新たな十分条件を得ている.この結果,これまでに取りうるいくつかのネットワーク構造に対する滞留時間を導出した結果とは異なり,あらかじめネットワーク構造を仮定することなく,同期が達成できるための十分条件が導出された.3年間の研究機関を通じ,設定した課題に対していずれも一定の成果を挙げることができ,雑誌論文や国内外の会議論文として発表を行った.また,当初計画していたテーマのほか,本研究を通じて開発したサンプル値結合系の同期条件の導出手法を活用して,非同期サンプル値出力に基づく分散オブザーバや先行同期に基づく分散状態予測器の着想を得て,それらに対する基本的な成果を得た.本研究で得られたサンプル値結合系の同期に関する結果をより広い制御問題に活用するための一つの方向であると考えている.
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
Mathematics
巻: 11 ページ: -
10.3390/math11010089
計測自動制御学会論文集
巻: 58 ページ: 568-574
10.9746/sicetr.58.568
巻: 58 ページ: 575-580
10.9746/sicetr.58.575
International Journal of Systems Science
巻: 54 ページ: 549-564
10.1080/00207721.2022.2135416
Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE
巻: 13 ページ: 477-492
10.1587/nolta.13.477
電子情報通信学会論文誌A
巻: J105-A ページ: 18-25
10.14923/transfunj.2021JAP1011
http://ctrl.mech.se.tmu.ac.jp