研究実績の概要 |
本研究の目的は,赤外線カメラと赤外線カメラにより各々得られる睡眠中の時系列画像に対し,動画像処理,画像認識,機械学習手法を用いて,呼吸状態,表情・挙動,顔温度変化の統合的解析に基づく睡眠状態自動認識手法を開発することである.この手法により,従来の睡眠ポリグラフ(PSG)検査と同等の情報が,身体への検査端子装着を必要としない非拘束状態で得られることになり,日常の場で自分自身の日常的な睡眠状態把握に利用できるのみならず,睡眠時無呼吸症候群,レム睡眠時行動障害などの睡眠障害検査の性能向上にも貢献するなど,重要性は非常に高い. 胸部の動き・表情・挙動解析に基づく睡眠時呼吸状態認識手法の研究開発,および赤外線カメラ画像処理による顔温度変化検出手法の研究開発を実施した.これらの研究開発の結果に対して2種類の手法を適用した.機会学習,評価には鹿児島大学医学部医学科(鹿児島大学病院・神経科精神科兼務)・中村雅之教授,石塚貴周助教,﨑元仁志助教の支援を得て,睡眠中のデータにおける,脳波データおよび眼筋電位データに基づく睡眠段階の同定結果を使用した.この睡眠中のデータ収集に関しては,鹿児島大学大学院理工学研究科に所属する学生数名の協力を得た.LightGBMを用いた睡眠状態自動認識手法では,睡眠段階の推定精度が84%, Desnet+LSTMハイブリッドシステムを用いた睡眠状態自動認識手法では,睡眠段階の推定精度が85%の結果を得られた. これらの研究成果を纏め, "総合的画像解析による睡眠中の状態自動推定に関する研究"という題目で,2021(令和2)年6月15日(火)~17日(木)にオンライン開催された,第60回日本生体医工学会大会および"複数視点動画解析による睡眠中の状態自動推定に関する研究"という題目で,2021(令和2)年12月16日(木)~17日(金)にオンライン開催された,パターン認識・メディア理解研究会(PRMU)において発表を実施した.
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