エネルギーの安定供給を確保するため,風力発電システムの実運用が期待されている.特に,海に囲まれた日本の国土を生かした大規模洋上風力発電システム「ウィンドファーム」の導入が進められてきている.本研究では,複数の浮体式洋上風力発電システムからなるウィンドファームの数理モデルの獲得を目指し,風車単体では計算負荷の軽いシンプルな構造を備えた複合シミュレータ環境を構築した.これにより,様々な波や風の条件下において,ウィンドファーム内の風車が他の風車の発電量にどのような影響を及ぼすかを調べることが可能となった.今後は,ウィンドファームの発電量を最大化する制御系設計用シミュレータとしての利用が期待される.
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