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2020 年度 実施状況報告書

白金酸化物積層膜の還元過程と高温情報センシング応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K04571
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

島 隆之  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 上級主任研究員 (10371048)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード酸化物 / 還元 / 情報記録
研究実績の概要

還元が容易な酸化白金と熱的に安定な酸化物(SiO2やTiO2など)の各薄膜を積層した構造において、酸化白金の還元過程および還元前後の熱的安定性について評価を行う。コールドストレージ用途の光記録媒体において、記録保存の長寿命化に求められる仕様の学術的な理解を深めるほか、AI・IoT社会および低炭素社会の到来でニーズが高まる情報センシングへの応用を図る検討を行う。令和2年度は主に、積層構造試料を昇温あるいは高温で保持したときの光学特性を評価する装置を準備した。具体的には、光学顕微鏡をベースに構築し、加熱時の試料表面を観察しながら、合わせて反射光強度を測定する。また加熱する試料近くに酸素センサーを取り付け、酸化白金還元時に放出される酸素ガスの検出を行う検討を進めた。これら一連の評価がパソコン上から自動で行えるよう、Pythonを用いて測定用プログラムを作成した。試料加熱時は、評価装置を構成する部品の熱膨張等の影響から、試料表面に焦点が合わなくなる恐れがある。取得した試料表面の画像を解析した結果をもとに、顕微鏡ステージを上下する微動ハンドルをモーターで回転させ、焦点位置に試料表面を移動する簡易的な機構を設けた。令和3年度に行う予定のレーザー光記録試験において、試料高さ調整用にピエゾステージを導入する計画は、前記移動機構にて代用することを検討する。スパッタリング法にて薄膜を成膜するためのターゲット材は準備できており、間もなく積層構造試料を作製する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

試料評価装置の準備にやや時間を要したため、当初令和2年度に実施を予定していた積層構造試料の作製が行えなかった。

今後の研究の推進方策

令和3年度は、積層構造試料の作製に必要な成膜の条件出しを行った後、当初の計画どおり、試料昇温時の還元過程について一連の評価を行う。まずは最高到達温度が873 Kの既保有の加熱装置を用いて試験を行い、課題を抽出した上で、例えばより高温まで到達可能な加熱装置を新たに導入する。レーザー光記録試験は、焦点合わせの方法に一定の指針が見出せていることから、こちらも令和3年度内に着手できる見込みである。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用が生じた主な理由は、最高到達温度が1273 Kの加熱装置の導入を令和2年度は見送ったためである。令和3年度前半に積層構造試料を作製し、まずは既保有の加熱装置にて事前の昇温試験を行う。試験結果をもとに、新規加熱装置の仕様詳細を決定し、令和3年度中に改めて導入する計画である。

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公開日: 2021-12-27  

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