酸化物半導体である酸化亜鉛は、日焼け止めや薬として用いられている安全な素材である一方で、発光、太陽電池、化学センサなど、機能性材料としても広く期待されている。本研究では、低温・大面積で成膜可能なスパッタ成膜法による酸化亜鉛多結晶薄膜において、結晶極性といった結晶構造に由来する特性を制御し、膜に生成される結晶の不完全性である欠陥の特徴や性質について明らかとした。さらに、格子欠陥、結晶粒界など、多結晶薄膜に多く存在する欠陥の生み出す機能応用としてのガスセンサの検出感度を向上させ、将来の水素社会における安心安全に寄与するセンサ特性向上の可能性が示された。
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