研究課題/領域番号 |
20K04592
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小山 真司 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (70414109)
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研究分担者 |
荘司 郁夫 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (00323329)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 固相接合 / 液相拡散接合 / 金属塩生成接合法 / インサート金属 / アルミニウム / 銅 / 電子風 |
研究実績の概要 |
本研究では、電子デバイスの製造プロセスにおける次の3つを主題としている。(1)はんだ接合と異なり、電子実装の高密度化と微細化に対応する精密・低温固相接合。(2)酸化皮膜を有機酸により金属塩被膜に置換・除去することでフラックスレスを実現する環境調和型接合法の検討。(3)接合表面および界面の微細性状解析と金属塩被膜の熱分解挙動の可視化による標準接合技術化。 これらの主題のもと、接合阻害因子である酸化皮膜を低温で熱分解する金属塩に置換・除去し、接合中の加熱により金属面を露出させる金属塩生成接合法を種々の接合部に適用し、その効果を検証した。 A5052/SUS316Lの固相接合において、Alの酸化皮膜を機械的に破壊するための表面粗さを最適化することで、滑らかな表面粗さの場合に比べて3倍以上の接合強度上昇が認められた(SUS316LはSa=0.1程度、A5052はSa=0.4程度)。さらに、接合面に金属塩の生成・分解挙動を作用させることで、Al合金の母材強度に達する接合強度が得られ、FT-IRによる化学分析からも酸化皮膜の除去効果が確認された。 インサート金属を用いたAl合金の液相拡散接合において、Al合金の熱処理中に接合することで、母材強度向上と同時に接合を完了することを試みた。その結果、インサート金属表面にギ酸塩被膜を付与することで、接合界面に残留する酸化物の総量が大幅に低減された結果、母材強度の90%に達する接合強度が得られた。 A1070/C1020の固相接合において、接合界面を通した相互拡散の拡散障壁となる酸化皮膜の無効化を目的とした電気アシスト、すなわち電子風の活用を試みた。その結果、接合界面に直流電流を印可することで、接合強度が2倍以上上昇することがわかった。したがって、次年度以降の有機酸による酸化皮膜除去作用の併用が期待できることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では当初、有機酸による酸化皮膜の有効な除去法の検討と様々な形状のインサート材の開発を予定していた。しかしながら、金属塩被膜の最適厚さの検討に加えて、化学分析による評価も完了したため、第2年度の課題である選択的改質法にも着手しており、その装置試作を進めている。 よって、当初の計画以上に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
すでに検討を開始している接合表面の選択的改質法について研究を進め、接合条件の緩和に向けた接合部形成技術の開発を実施する。また、検討中の電気アシスト接合法援用による金属塩生成接合法についても接合界面微細構造解析を中心に汎用化を目指す。 一方で、精密接合を必要とする材料は多様化していることから、市場ニーズの調査を進め、改質処理の実用化に向けた試験研究を推進する。
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