本研究は日本の最先端技術である高周波ジャイロトロンというミリ波帯の高出力光源を用いた世界で最初の研究です。これまでミリ波帯は電磁波の谷間と呼ばれ高出力の電磁波の発生や制御が困難な領域であるといわれてきました。本研究では、光源であるジャイロトロン開発、また電磁波を伝送する準光学伝送システム、また電磁波を短パルス化する光駆動半導体スイッチ、そして光源の欠点である位相制御を補うデジタル信号処理など、これらの技術を独自に開発することで、世界最先端の高周波パルスESR測定に成功しました。また、高感度化を達成したことで、次世代の量子コンピューターの基礎技術計測やスピン制御への応用が期待されています。
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