本研究で開発した超伝導転移端センサ(TES)は、微弱光バイオイメージングへの応用が期待されている。センサを極低温まで冷却しノイズや暗係数を抑えることで、サンプルからの微弱光を感度良く捉えることができる。これはサンプルの自家蛍光を捕らえたり、より弱い光を照射してサンプルを観察することで、より自然な状態での観察を可能とする。また、可視光と近赤外という広い波長域を一気に捉えることで、今まで見えなかったものが見える可能性がある。このように、TESを用いたバイオイメージングには高いポテンシャルがあるが、波長分解能が十分ではないのが課題であった。本研究はこれを解決するための重要なステップとなった。
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