研究課題
基盤研究(C)
トランジスタをはじめとする半導体デバイスの挙動を計算機上に再現するデバイス・シミュレーションに対し、熱シミュレーションの正確度を高めるため、半導体では原子の集団運動、すなわち、フォノンが熱の主たる運び手であることに注目し、フォノンによる熱輸送のシミュレーション方法を検討した。そして、標準的なデバイス・シミュレーションの枠組みの中で実現する方法を考案し、フーリエの法則の基づく従来の方法よりも忠実にデバイスで起こる種々の熱関連現象をシミュレーションに反映できるようになった。
半導体デバイス物理
本研究は、フォノンによる熱輸送のシミュレーションを、標準的なデバイス・シミュレーションの枠組みに完全に適合する形で実現する方法を検討した初めての取り組みであった。考案した方法は標準的なデバイス・シミュレータに容易に実装できる。既に、研究代表者の所属機関で開発するデバイス・シミュレータ「Impulse TCAD」に実装しており、希望者は当該機関の所定の手続きを経れば使用することができる。