シリコン基板に一つの矩形スルーホールを形成したスルーホールチップをイメージセンサーチップの受光面に密着した単純構造のレンズレス撮像装置でも、それで取得されるボヤけた画像を鮮明化できることが確認できた。一つのスルーホールを介して受光する各画素間の規則的視野ズレを境界条件として、導出画像の空間的特徴量を用いたコスト関数を定義し、そのコストが小さくなる解によって、レンズレス画像が鮮明化できることが分かった。しかし、本研究期間内の実験では誤った推定箇所が部分的に残っており、十分な精度でのレンズレス画像を得ることはできなかった。コスト関数の更なる改良が必要なことが分かった。
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