テラヘルツ波は無線通信の高速化・大容量化を推し進めると予想されているが、光の周波数に近いテラヘルツ波は指向性が強く、放射方向を高速に制御するアンテナの開発が必要となる。液晶は誘電率を電圧により制御できる材料であり、テラヘルツ帯での液晶アンテナへの展開が期待されている。一般的に液晶デバイスは薄型・軽量かつ低消費電力であるため実用化には有利であるが、テラヘルツ帯での動作特性を改善するために高複屈折かつ低損失な液晶が求められている。本研究では、様々な分子間相互作用がテラヘルツ帯での屈折率と損失に与える影響を評価しており、本研究の成果は分子間相互作用を考慮した新たな材料設計の可能性を見出したといえる。
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