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2020 年度 実施状況報告書

炭酸化とポゾラン反応による組織緻密化が硬化体の物質透過性に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 20K04638
研究機関秋田大学

研究代表者

徳重 英信  秋田大学, 理工学研究科, 教授 (80291269)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードフライアッシュ / もみ殻灰 / ポゾラン / 緻密化 / アルカリシリカ反応 / 炭酸化 / 海中浸漬
研究実績の概要

火力発電所より排出された石炭灰フライアッシュを1ヶ月ごと,排出ロットごとに収集を行い,その成分分析を行った。また,もみ殻ボイラーを用いている農業系事業者から排出されたもみ殻灰を複数収集し,その成分分析を開始した。これらの成分分析から,コンクリートの配合設計を行うための基礎的検討を行い,次年度の研究にむけての配合パラメータの選定と決定を行った。この配合パラメータの一部を用いて,フライアッシュ混和コンクリート供試体の作製を行い,まずアルカリシリカ反応抑制効果の検証からポゾラン反応による緻密化などの照査を行い,次年度の炭酸化反応試験用の供試体作製のための結果の収集を行った。
また海中暴露試験の準備として,チタン合金金属の海中暴露と実験室内暴露を行い,適切な海中暴露試験地の選定のための準備を開始した。新型コロナ感染拡大に伴い,予定していた学外試験についてはすべて次年度以降への先送りとなったものの,関連資料収集と配合パラメータ選定試験,海中暴露試験準備を室内試験と供試体送付等による現場試験を行い,次年度以降の研究遂行のための基礎的検討を実施することができた。
アルカリシリカ反応性に関する促進試験については,2020年度予算において購入したコンタクトゲージを用い,試験を開始し,材齢が経過することによるポゾラン反応の緻密化に伴って,フライアッシュ混和に伴うポゾラン反応によるアルカリシリカ反応抑制効果が大幅に向上することが明らかとなった。
以上のことより,ポゾラン反応による緻密化が物質浸透抑制効果に大きく影響することに関する再現性と確実性が確認されたため,次年度以降の研究推進の基礎データを得ることができたと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナ感染拡大抑制に伴い,研究基盤である学内研究室での実験実施が年度を通して制限され,実験はかなり遅れた。また学外において検討しなければならない事項についてはまったく動きがとれず,次年度以降に持ち越した内容が多い。

今後の研究の推進方策

実験環境における新型コロナ感染拡大抑制策については,ある程度見通しが付いたため,2021年度については,2020年度に行うべき実験的検討を含めて加速できる。
この上で,供試体の作製と炭酸化試験を開始し始めており,ポゾラン反応下における供試体の緻密化の評価を2021年度中に終える予定である。促進ASR試験については2020年度に開始したものに加えて,配合パラメータを増加させて適切なデータ数を収集する予定としている。
さらに,当初目的である組成分析についても同様に2021年度末に実施する準備を開始した。
以上のより,2021年度に加速度的に実験的検討を推進することにより,所期の目的を達成する予定としている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染拡大に伴い,実験室入室制限および県外活動規制により,予定していた出張はすべてとりやめ,またアルバイトとして使用する予定であった謝金についても学生の大学入構禁止措置により使用とりやめ,それらに伴う大幅な実験の遅延により次年度への経費先送りとなった。

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公開日: 2021-12-27  

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