最終年度では,これまでの道路路面の画像計測システムに新たにアクションカメラを導入し,それに伴った計測および解析システムの更新を行った.その結果,初年度~2年度で構築したシステムと比較して,利便性・実用性を飛躍的に向上させた道路路面の健全度評価システムを構築することができた. 研究期間全体としての成果は以下の通りである. まず,小型カメラを用いた道路路面の画像計測システムを構築した.次に,深層学習を応用し,計測した路面画像から路面の健全度を評価するための解析システムを構築した.当初は,この段階までの研究を計画していたが,計測システムの価格が100万円程度と比較的高額であること,計測時にPCを持ち込む必要があり,設置,配線などの準備に非常に手間がかかるなどの欠点があった.実際に地方自治体に利用してもらうことを考慮すると,より安価で使い勝手のよいシステムの構築が望まれる.本研究では,当初の計画より早く進行していたことから,最終年度には,路面の画像計測装置として,新たにアクションカメラを導入し,それに対応して健全度評価システムの更新を行った.その結果,地方自治体での利用という観点から,価格・性能・利便性の条件を十分満足する道路路面の画像計測システムと,健全度を評価する解析システムを構築することができた. 現在,山梨県における道路路面の維持管理業務に本システムを導入することを検討しており,本システムの精度検証を兼ねて試運用を計画している.
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